◇寒暖の差大きく、不公平
県内で29日開幕する第64回秋季関東地区高校野球大会(関東地区高野連・県主催、毎日新聞社など後援)で使える球場が“寒暖の差”により、富士吉田市の富士北麓(ほくろく)球場が見送られ、甲府市の県営小瀬球場だけになった。
同大会は参加各県が持ち回りで会場になり、通常は2球場で5日間開催。
しかし、今回は、1球場だけのため7日間に延ばさざるを得なかった。
現在、南アルプス市の櫛形総合公園野球場が補修中で、完成すれば、使用できる可能性はある。
県高野連は「生徒に学業を長く休ませたくない。宿泊費も減らしたい。早くもう1球場ほしい」と話している。
秋季関東大会は7県15校が参加。
日程は例年、土日祝日に合わせ、平日は2日間だけ。今回は平日が4日間になった。
夏(7月)と秋(9月)の県大会は、小瀬と富士北麓の2球場を使った。
しかし、秋季関東大会は秋が深まる時期に当たる。
標高が小瀬は約260メートルに対して富士北麓は約1035メートル。
標高差が約800メートルもある。
県高野連の篠原基理事長は「気温差が10度以上の日もある。気候条件に差がありすぎ、公平にならない」と指摘する。
山梨での前回の秋季関東大会は04年。球場は、小瀬球場に加え、甲府市営緑が丘球場が使用された。緑が丘球場は07年11月以降、打球が隣接する住宅に飛び込み危険として、硬球使用が禁止となっている。
甲府市のスポーツ振興課によると、県の都市計画整備の一環で、緑が丘球場の整備を行っていく計画はある。しかし、着工予定は立っていない。
一方、櫛形総合公園野球場では「安全対策強化」として、内野の防球ネットの高さを15メートルから25メートルに上げる、外野フェンスを衝撃吸収材で覆う、などの補修が進められている。完成は来年度の見込み。
同市都市計画課によると、補修が完了すれば高校野球の公式戦が行える可能性もある。
高野連関係者は期待を持って待っている。【山下智恵】 |